近頃、肩の症状で来院される方が多い千住スポーツケア整骨院です。
使い方の問題で痛みが出ていらっしゃる方、外傷でいらっしゃる方、様々です。
そんな今回は肩鎖関節脱臼について書きます。
肩鎖関節脱臼は肩鎖関節に物が当たる(直達外力)などありますが、
一番多いのは肩をついて転倒したした際(介達外力)によるものが多いです。
肩鎖関節は鎖骨の外端部と肩甲骨の肩峰で構成されます。
肩鎖関節脱臼の場合は、鎖骨が本来の場所から逸脱します。
そのため鎖骨には、上の図のように様々な靭帯が付着します。
中でも重要なのが、肩鎖靭帯と烏口鎖骨靭帯です。
この靭帯が切れる度合によって重症度が変わってきます。
その重症度を表すのがトッシーの分類というものになります。
【トッシーの分類】
Ⅰ度:肩鎖靭帯の部分断裂はあるが、安定性は良好(捻挫)
Ⅱ度:肩鎖靭帯の完全断裂。烏口鎖骨靭帯の断裂はない(不全脱臼、亜脱臼)
Ⅲ度:肩鎖靭帯、烏口鎖骨靭帯の完全断裂。ピアノキー症状あり(完全脱臼)
※Ⅱ、Ⅲ度では階段状変形あり。
このような感じです。
ピアノキー症状とは、鎖骨の外端を下方に押し込むと反跳する症状です。
また階段状変形とは、鎖骨の外端が浮き出て階段のように突出した症状です。
このように重症度を判定します。
他の症状としては、体側にある腕を外側に開いていく運動(外転)のような動きが
痛みのために制限されてしまいます。
第Ⅲ度の場合は固定は主に3週間ほど行います。
鎖骨の外端に枕子を入れテーピングで上から圧迫し、鎖骨の動きを制限します。
その上で、包帯やバンドを使って、胸を張った肢位で固定します。
Ⅰ度、Ⅱ度損傷の場合は、
スポーツシーンでは、急性期は三角巾などをして腕の重みを緩和し、痛みが落ち着けば復帰をしていくことが非常に多いです。
Ⅱ度損傷の場合は、若干の鎖骨の外端が出っ張ることはありますが、その後のスポーツにおいては大きな影響はありませんのでご安心ください(もちろんそれぞれの症状によりますが)。
コメントをお書きください
遠藤 (火曜日, 28 11月 2017 19:02)
とてもためになりました
田村恵 (月曜日, 10 6月 2019 13:58)
右肩の骨がずっと痛が取れません。
整形外科に行きましたが、問題は無いと言われそのままでしたがまだずっと痛みが取れません。
原因をしりたいので宜しくお願いします。
千住スポーツケア整骨院 (火曜日, 11 6月 2019)
コメントありがとうございます。
肩の骨が痛いがレントゲンには異常がないとのことですね。
骨のどの部分に痛みがあるかにもよりますが、靭帯の損傷による痛みや筋肉による影響、細かな神経による関連痛(神経の周囲が痛くなる)なども可能性が考えられます。
レントゲンだけではなく、検査をしながら原因を精査していく必要がありますね。
実際に状態を確認しているわけではないため、明確にお答えすることができず申し訳ございません。