今回は「LIPUS」という治療法をご紹介します。
LIPUS(”ライプス”と呼びます)は超音波治療法の一つで(Low Intensity Pulsed Ultrasound~低出力超音波パルス療法~)の略になります。
特徴は従来の超音波による運動器(骨・筋・じん帯・軟骨など)の治療と比べ一回に弱い出力で比較的に長時間、照射するというものです。
そしてそれにより「骨折」や「軟骨損傷」の治癒期間を短縮する成果が期待できます。
我々柔道整復師としては
既存の骨折治療では骨が癒合(くっつく)する時間の短縮はなく、いかに予定期間内に本来ある骨の位置に癒合させるかという整復固定術に治療の主眼を置いていました。
LIPUSの登場により骨折の治療期間は短縮する事が可能となりました。
野球の松井秀樹選手、メジャー時代の手首の骨折や、引退されたベッカム選手の骨折を早期に回復させた事でも有名なLIPUSですが、論文データでは骨折の癒合期間を最大39%短縮できるといわれています。
約40%です。
この40%はどれくらいの期間短縮になるでしょうか。
Gulut(グルト)の骨癒合日数(骨がくっつく日数)では、
①指骨 2週間
➁肋骨(中手骨) 3週間
③鎖骨 4週間
④前腕骨 5週間
⑤腓骨 5週間
⑥上腕骨 6週間
⑦脛骨 7週間
⑧下腿両骨 8週間
⑨大腿骨 10週間
⑩大腿骨頚部 12週間
となっています。
例えば
⑦の脛骨の骨折では順調にいって7週間で骨癒合をします。
LIPUSを行うことによって7週間(49日)かかるところが、
4週間と少しの期間(29.4日)で骨癒合が得られるという可能性があるといいことです。
ただし論文を読んでみると
どの骨折にも効果があったということではないようです。
効果のあった症例もありますし、さほど効果的ではなかったというものもあります。まだまだ検証されるべきものなのでしょうね。
しっかりと検証されてより効果的な手法が示されていくいことを望みます。
この手法は当院でも行っております。
ご相談くださいね。
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