前回もお伝えしたアイシング。
炎症を広げないためにも重要だということをお伝えしました。
今回はその炎症とは何かをお伝えしていきます。
🔷炎症とは?
炎症とは刺激物に対する細胞レベルの反応です。
炎症の目的とは
・異物に対する生体の防御
・壊死、あるいは壊死しつつある細胞の除去
・組織の再生促進
と以上のような目的があります。
ここまで聞くと、『炎症っていいじゃん!』と思いがちですが
【炎症が広がる=修復すべき細胞が増える】
ということになります。
炎症の兆候は
・疼痛
・腫脹、浮腫
・発赤
・発熱
・機能の喪失
以上の5つになります。
では組織が損傷してから炎症反応が起こるまでは
どのようなことが身体で起きているのでしょうか?
🔷損傷から炎症
まず外傷などにより組織に損傷が加わり、機能が障害されてしまいます。
その結果、細胞が恒常性(普通であろうという力)を営んでいく能力に
変化を与え炎症反応を引き起こします。
外傷の際には細かい血管が破れる一時的な損傷だけでなく、
二次的にその血管が破れたことにより酸素の運搬が上手くいかず
細胞の酸素不足(低酸素症)が発生します。
酸素不足によってエネルギーが不足してしまった細胞には変化が起こります。
細胞膜にはナトリウムポンプという構造物があり、
細胞内と細胞外の電解質濃度を調整しています。
そのナトリウムポンプの活動がエネルギー不足によって
低下していくことによって細胞内のナトリウム濃度が上昇します。
その結果、浸透圧(濃度が薄い方の水を濃い方が引っ張る)によって
細胞内の水分量が増加し浮腫へとつながります。
そのため、アイシングによる血管収縮作用は、
血管の破れた部分の穴を小さくすることができるので
細胞が酸素不足に陥る可能性が低くなり、浮腫も抑制することができます。
しかし、一度浮腫が起きてから小さくなることはないので
受傷後速やかにアイシングを行う必要があります。
受傷と同時に損傷部位から出る化学物質(ヒスタミン、ブラジキニンetc)が
壊れた組織の破片を取り除くために白血球を集め、
細胞片の排除が始まり、次第に組織の修復が行われていきます。
早期のアイシングにより修復すべき組織も減らせるので
なるべく早く対応できると良いでしょう。
と、ここまで細かく説明してきました。
しかし、誤解がないように一言付け足しておくと
『アイシング=炎症反応を抑制する』ではありません。
アイシングによって得られるのは血管収縮作用による
浮腫や細胞の低酸素症の抑制であって、炎症反応自体は抑制できません。
『アイシング=炎症抑制』でなく『アイシング=炎症を広げない』という
ニュアンスの方が正しいと言えます。
実際に応急処置をする場面でも、炎症がどのように起こっているか
アイシングによってどういう効果があるかなど
ざっくりでもいいので把握できると良いですね。
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