こんにちは!
今回は『母指のMP関節の脱臼』について説明してきます。
まずは大雑把にではありますが母指MP関節の解剖から説明します。
母指MP関節は体表から見るとちょうど親指の付け根の部分の関節になり、
中手骨(手の甲の骨)と基節骨(指の一番手の平側の骨)で形成されます。
この関節の外傷は母指が伸展や外転を強制されて起こる背側脱臼がほとんどです。
ボールをキャッチする際の突き指や
母指がスキーのストックのストラップに引っかかるなどで受傷します。
背側脱臼の中にも垂直脱臼と水平脱臼があり、
水平脱臼となった場合は、種子骨や掌側板が
関節の中に介入し整復が困難なため、手術の適応となります。
垂直脱臼の場合は中手骨の上に基節骨が垂直に直立するように変位します。
また脱臼により骨の位置関係が変わったことで、母指の屈筋腱の走行が
遠回りになってしまい、結果としてIP関節(母指の第1関節)が屈曲をし
母指はZ字変形という変形を起こします。
上の写真がZ字変形の例です。
写真は実際に脱臼をしているわけではないのですが
Z字変形はこのようになります。
整復動作は指の場合は引っ張ってしまいがちですが、
引っ張ってしまうと関節を形成する中手骨と基節骨の間に
軟部組織が介入しロッキングを起こしてしまいます。
ロッキングを起こしてしまうと指がZ字変形を呈したまま動かせなくなってしまいます。
その為、整復は一度母指を過伸展させ、軟部組織を押し出すように
中手骨上を滑らせながら屈曲し、整復をします。
固定は母指をボールを握るように軽度屈曲させて固定します。
関節自体の損傷は2~3週の固定が必要ですが、
関節の周りの軟部組織(尺側側副靭帯)の大きな損傷や
骨折を伴っていた場合はより長い固定期間が必要となります。
いかがでしたでしょうか?
特に注意してほしいポイントは『引っ張らない』ことです。
しかし、脱臼してしまった場合は自分で無理に整復動作は行わず
医療機関を受診してください。
「施術の前後で体の変化が体感できる」
北千住駅より徒歩3分にある千住スポーツケア整骨院
☎03-5284-8081(予約をしていただけるとスムーズです)
北千住の方だけではなく
草加、越谷、春日部、三郷、流山、守谷、つくば、松戸、柏、我孫子など
北千住を経由されている方には便利な21時30分まで受け付けをしております。