今回紹介するのは『コンパートメント症候群』。
聞きなれないケガかと思います。
このケガは処置が遅れると筋肉の壊死や拘縮など重篤な症状に繋がります。
まず、『コンパートメント』とは何か?です。
コンパートメントとは筋膜や骨などにより筋肉が区画分けをされます。
その区画のことをコンパートメントと言います。
この区画には大きな神経や血管が走行する区画もあります。
画像の一番上の断面では区画分けされているのがわかります。
コンパートメント症候群とは、
そのコンパートメント内の圧が上昇し、他の組織を圧迫します。
主に前腕や下腿にみられます。
急性のものでは、骨折や挫傷などによって区画内に起こった出血が
内圧を上昇させ、組織を圧迫してしまいます。
その際に神経や血管を圧迫し血行障害や痺れを起こします。
他にもキツすぎるギプスや包帯固定でも起こります。
コンパートメント症候群は慢性的に起こるものもあり、
スポーツ活動によって肥大した筋肉が内圧を上昇させ痛みが起こります。
少し休むと痛みが消えてきますが
運動を再開するとまた痛みが出てきます。
【痛みが出る⇒休む⇒痛みが和らぐ⇒運動⇒痛みが出る】の繰り返しです。
症状としては、
・痛み(神経、血管、筋などの組織の圧迫による)
・感覚の異常(神経が圧迫され、圧迫された神経の知覚領域が異常を起こします)
・蒼白、拍動消失、低体温(血流が阻害されることで血液が回らないことによる)
などがあります。
中でも、血流が障害されることで筋に障害が起こる
フォルクマン拘縮(阻血性拘縮)は不可逆性の症状のため
一度起こってしまうと、ずっと拘縮が起こったままです。
特に小児に多く起こる上腕骨顆上骨折では
合併して起こることが多いので注意が必要です。
発症は受傷してから24時間以内に起ってくるので
早期の対応がとても重要になってきます。
当院に来院された患者さまでもコンパートメント症候群の方が2名いらっしゃいました。
外傷を起こした際は筋スパズム(筋攣縮:不随意かつ持続的な筋の収縮)などが起こり
患部が硬く触れますが、コンパートメント症候群の場合は
違和感を感じるほど患部の柔らかかったです。
両名とも整形外科にて処置を頂きましたが、放っておくと大変なことになります。
治療法は主に圧を逃がすことがメインです。
急性コンパートメントで規定数値をオーバーするほどの内圧上昇の場合では、
まず筋膜切開やドレーン排液によって、内圧を低下させます。
もちろん規定数値をオーバーしなくても、キツすぎるギプス固定は
直ちに除去した方が良いです。
整復後の包帯固定もいつものように巻くと、その後の出血により
内圧上昇につながるので注意が必要です。
慢性の場合は経過観察が多いですが、何度も繰り返される場合は
安静やストレッチが重要ですが、身体の使い方によって起こる場合もあるため
フォームの見直しなども処置として必要です。
いかがでしたでしょうか?
まずは早期発見が大事なポイントです。
少しでも疑いがあればまず、医療機関を受診しましょう。
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