肩峰下インピンジメントはご存知ですか?
名前の通り肩の障害です。
あまり馴染みがないかもしれませんが、
実は肩峰下インピンジメントによって肩の痛みを訴える方は多いです。
今回はそんな肩峰下インピンジメントについて説明していきます。
そもそも「肩峰下インピンジメント」という
言葉の意味自体が分からない方が多いかと思いますので、
まずはそちらの説明から。
肩峰下インピンジメントとは肩甲骨の一部である肩峰と、
その下にある上腕骨頭がインピンジメント(衝突)を起こす症状です。
この衝突によって肩峰と上腕骨頭の間を通る棘上筋や
肩峰の下に存在する肩峰下滑液包が挟まれます。
本来の肩関節の運動は、上肢が外転していくのに対し、
それに合わせてローテータカフというインナーマッスルが上腕骨頭が下方に落ち込む動きや上腕骨を外旋させる働きをします。
しかし、インピンジメント症候群の場合では、この下方への落ち込みや外旋が
何らかの影響で阻害され衝突を起こしてしまいます。
『インピンジメントが起こってしまう要因』
・肩関節の後方の筋のタイトネス
肩関節にはの周囲にはたくさんの筋肉が存在します。
中でもインピンジメントを起こしてしまう要因として後方タイトネスが挙げられます。
後方がタイトネスになってしまうと上腕骨頭が前方に押し出され、
正しい関節の位置関係から逸脱してしまいます。
肩峰下インピンジメントの他にも
上腕骨頭が前方移動していることで肩関節の屈曲動作の際に、
第二肩関節(烏口肩峰靭帯)との摩擦ストレスも増えていきます。
また、上腕骨頭が前方に移動することで上腕二頭筋腱が本来の走行から
遠回りをするような形になるので、結果的に痛みを出す場合もあります。
・筋の異常運動、変位
肩関節は先ほども述べたように、可動性が大きいため、細かな筋が密接しています。
それぞれ別の働きがある筋ですが、その筋同士が癒着を起こすことで
正しい筋活動をすることができなくなってしまいます。
それによって必要以上に働く筋や、働きが弱くなる筋が出てきて
関節運動に障害を来します。
先程あげた、後方タイトネスも三角筋後部線維が小円筋や上腕三頭筋といった
筋と癒着を起こすことで起こってきます。
他にもインナーマッスルでいうと、
棘上筋は骨頭の上方で癒着を起こすため、肩を外転しようとする際に
骨頭を上方へ引き上げてしまいます。
小円筋、肩甲下筋は外転位では骨頭の前方と後方に位置しますが
癒着によって下方に変位している場合、骨頭が下方へ移動しようとしても
小円筋、肩甲下筋が介在するため下方へ移動できなくなります。
また、棘下筋と小円筋というインナーマッスルがが外転時に上腕骨を外旋させることで上腕骨大結節との衝突を防ぐのですが、三角筋の過剰反応によって外旋時に上腕骨頭が前方に押し出されるためインピンジメントを起こしやすくなってしまいます。
・運動パターンの破綻
肩関節は、股関節のように強靭な人体組織が少なく、可動性が大きいため
様々な組織を損傷するリスクが高くなります。
その損傷により肩を動かす際に痛みに対する逃避行動が入ります。
しかし、その逃避行動がインピンジメントを招く要因の一つでもあります。
肩は外転をしていく際に0度(体側)から60度までは棘上筋がメインで働き、
その後三角筋がメインになり外転をしていくというメカニズムになっています。
しかし、痛みがある場合の逃避動作では三角筋が最初から強く働ため
インピンジメントが起こります。
【痛みアリ⇒逃避動作⇒三角筋の収縮⇒インピンジメント⇒痛み】
というような負の連鎖に入り、元々の運動パターンを身体が忘れていってしまいます。
これが運動パターンの破綻です。
・他関節の関節運動不全
肩関節を動かす際には、肩関節単体ではなく、
同時に複数の関節が動きます。
肩甲上腕リズムも肩甲胸郭関節が動く上で成り立ってきます。
他にも肋骨と鎖骨の内端が関節する胸鎖関節も動いてきます。
この肩関節以外の関節の運動が阻害されてしまえば、肩関節への負担も大きくなり、
正常な動きが難しくなってきます。
この様にインピンジメント症候群を起こす原因として代表的なものを
いくつか挙げていきました。
では、インピンジメント症候群はどのように改善させるのでしょうか?
まずは肩周囲の筋肉の癒着を剥がし、
正しい関節運動が行える状態を作ることが重要です。
いくら筋を緩ませたとても、癒着が起こっている場合は他の筋の収縮に引っ張られ
本来使わないところで筋活動が行われてしまいます。
もちろん、筋を緩ませることも重要ですが、癒着を剥がすことが優先的でしょう。
そして、癒着が剥がれたら次に行うべきなのはリハビリです。
痛みによって破綻してしまった運動パターンを変えないことには
癒着が剥がれていたとしてもインピンジメントが起こり痛みが再現します。
肩の上げ方を再学習させるのはもちろんのこと、
普段の生活でも三角筋が腕の重さに対して反応して、緊張状態が続くため、
ポケットに手を入れるなど腕の重みを逃がすなどの指導も必要です。
特にローテータカフの働きは非常に大切なため、エクササイズを含め別で記事にしました。
いかがでしたでしょうか?
文章ではさらっと書いてありますが、実際はリハビリを含めると
完治までは時間がかかる場合もあります。
少し痛いなぁと思いましたら、早めの受診をオススメします!
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