ロードバイクに乗られて転倒してしまった際に起きた
くしゃみをすると腰に響くような痛みのある症状についての症例報告です。
ロードバイクに乗っていて右側に転倒。
あまりスピードはだしていなかったということでしたが腰に痛みがあり整形外科受診。
骨には異常がないということで様子を見ることにしたが、くしゃみをすると腰に響く痛みがあり心配になって当院に来院されました。
◇症状
右腸骨から大腿部にかけて血腫があり、圧痛は著明。
介達痛はないことから骨に対する問題はなし。
動作痛として歩行時や前にかがむことで痛み(写真赤丸のところ)があります。
◇『骨盤の静的アライメント』としては、
左寛骨後傾、仙骨右傾斜(写真矢印)
◇『骨盤の動作アライメント』としては、
前屈時に左寛骨前傾制限
→開脚での前屈では左右差なし
後屈時にASIS間狭小
→股関節外旋位での後屈で狭小なし
◇疼痛抑制テストとして、
骨盤の歪みを徒手で左右差なしに整えてくしゃみをしてもらうと痛みはありませんでした。
◇原因因子
上記のことから骨盤が歪んでいたために左の仙腸関節(赤丸)に痛みが発生していたと推測。
◇治療
リアライン(緩めて整える)
・左大殿筋めくり
・左股関節外側リリース(大腿筋膜張筋/中殿筋/小殿筋)
ここでは組織間リリースという手法を行います。
これにより、
『骨盤の静的アライメント』として、左寛骨後傾、仙骨右傾斜(写真矢印)がリリースにより解消し左右差ない骨盤となりました。
この時点でくしゃみによる痛みは大きく軽減しました。
スタビライズ(安定させる)
・ヒップリフト(股関節外転外旋位)
これによりくしゃみの痛みは消失しました。
最後に整った骨盤の維持のために
左のお尻のストレッチとお尻のトレーニングを
継続していくよう指導して終了としました。
骨盤を整えていくには様々な手法があります。
当院では骨盤を外力で整えることはなく、
骨盤をゆがませてしまう箇所(原因)を精査して、
そこを組織間リリースで
本来ある筋肉の動きを引き出していき整えていきます。
それによりより
その後に行っていただくストレッチがより有効になり
状態の維持のお手伝いをしていくれます。