皆さんは「ローテーターカフ」はご存知でしょうか?
肩の痛みなどで気になった際に調べるとほとんどの記事で登場します。
今回はその「ローテーターカフ」について書いていこうと思います。
まず、ローテーターカフとは日本語では「回旋筋腱板」ともいい、
肩甲骨から上腕骨に付着する以下の4つの筋肉を指します。
・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋
このローテーターカフの役割を理解するには、
まず肩関節について触れる必要があります。
肩関節は上腕骨の上腕骨頭と肩甲骨の関節窩によって構成されます。
この肩関節の大きな特徴が可動性が高いことです。
肩関節は他の関節と比べ、骨頭に対して受け皿となる関節窩が
とても小さいため骨頭が自由に動けること、強靭な靭帯組織がないことから
高い可動性が出ます。
しかし、反対に不安定性や脱臼をしてしまうリスクも非常に高くなります。
股関節も似たような形状ですが、身体の土台で体重を支える関節の一部だけあって
周囲の靭帯組織はかなり強靭で、中には人体で一番強靭な靭帯と言われている靭帯も
股関節にある靭帯です。(腸骨大腿靭帯)
さて、肩関節に話を戻しましょう。
肩関節は骨頭に対して大きさの足りない関節窩の周りを軟骨で補っています。
この軟骨を関節唇と言います。
関節唇があるため、関節窩の受け皿としての機能は上がりますが、
関節唇の存在を踏まえた上でも肩関節の骨頭と関節窩の比率は
約3:1で骨頭の方が大きく、前述の通り可動性は高いですが
肩関節の不安定性や脱臼のリスクは高いです。
ここで登場するのがローテーターカフ。
ローテーターカフは肩の安定性を高めるために働いてくれます。
一つ一つの筋肉の出力は大きくはありませんが、
立位での上肢の重みに対して、投球動作などの上腕骨頭と
関節窩が引き離されるストレスに対して働いてくれるなど
肩関節の中で担う役割はとても大きいです。
では、ローテーターカフのそれぞれの役割を紹介していきましょう。
棘上筋
起始:肩甲骨棘上窩
停止:上腕骨大結節
作用:上肢の外転
走行:上腕骨頭の上方を走行し大結節に付着
棘下筋
起始:肩甲骨棘下窩
停止:上腕骨大結節
作用:上肢の外旋
走行:上腕骨頭の後方を走行し大結節に付着
小円筋
起始:肩甲骨外側縁
停止:上腕骨大結節
作用:上肢の外旋
走行:上腕骨頭の後下方を走行し大結節に付着
肩甲下筋
起始;肩甲骨肩甲下窩
停止:上腕骨小結節
作用:上肢の内旋
走行:上腕骨頭の前方を走行し小結節に付着
上記の4つの中で特に注目してほしいの走行です。
各筋は上腕骨頭を覆うように走行しています。
その結果、肩の安定性をもたらすだけでなく、
広い可動域を出すことができるようになっています。
しかし、このローテーターカフの正しい筋活動ができなくなると
肩関節の運動の際にアウター(三角筋など)が過剰に反応してしまい
四十肩やインピンジメント症候群、野球肩に繋がってしまいます。
その後、肩の挙げ方に痛みに対する逃避行動(運動パターンの破綻)が起き
症状が長引くこともしばしばあります。
※インピンジメント症候群に関してはコチラ
ローテーターカフは正しい位置で正しい筋活動ができることが重要ですね!
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