こんにちは!
以前は少しづつ記事として書くことはありましたが、
改めて外傷についてブログの中でも紹介していきたいと思います。
今回は一番直近にあった外傷の『足趾MP関節脱臼』についてご紹介していきます。
足部には26個(種子骨を含むと28個)の骨があり、
その骨が連結することで構成されます。
今回ご紹介するMP関節は、
中足骨という足の甲の骨と、基節骨という足趾の付け根の骨の関節部分です。
このMP関節ですが、第1趾の底側には種子骨という
小さな骨が2つあることが特徴です。
さて、ではここから脱臼についてご紹介していきます。
まずは一般的な病態を説明していきます。
MP関節脱臼は、足趾を背屈強制された際に起ることが多く、
特に第1趾に多く起こります。
背屈強制による脱臼は背側脱臼となり、
中枢側の骨(中足骨)に対して、末梢側の骨(基節骨)が背側に脱臼します。
背側に脱臼した際に、屈筋腱(底側にある足趾を曲げる腱)が
末節骨を引っ張るため、Z字変形という特異な変形を起こします。
整復ですが、引っ張るだけで整復される場合もありますが
原則として引っ張ってはいけません。
特に第1趾については種子骨が関節に介入している可能性があるため
いくら引っ張っても整復がされないことがあります。
基本的な整復動作としては、末節骨を中節骨に押し当て(赤➡)
圧を加えたまま屈曲(緑➡)していき、同時に末節骨底を押し込みます(青➡)。
仮に種子骨の介入があったとしても、関節面同士を押し当てた状態で
屈曲をしていくので種子骨を押し出すことができます。
※場合によっては整復困難な時もあります
固定は生活レベルにもよりますが、基本は3週間ほど行います。
原則として脱臼を起こした肢位にならないように固定をする必要があるため
アルフェンスなどを用いて足趾が背屈しないように固定をします。
ここまで一般的なMP関節脱臼をご紹介していきましたが、
つい先日に受傷された患者様の症例を報告していきたいと思います。
今回の受傷機転としては、柔道中に相手が投げ技に入る際に
右の第5趾を蹴られて受傷しました。
症状
・受傷後すぐに来院していただいたため、著明な腫脹はなし
・安静時の疼痛
⇒脱臼の固有症状の断続的脱臼痛です。
・軽く触れる程度でも圧痛
・健側と比べ、患側のMP関節背側に凸した基節骨底を触れる
・他動屈曲に抵抗感を感じ、手を離すと屈曲前の状態に戻った
⇒脱臼の固有症状の弾発性固定です。
以上のことからMP関節の背側脱臼を疑い、整復に移りました。
整復時の前と後の写真はありませんが、MP関節背側の凸がなくなり
安静時の痛みもなくなりました。
脱臼は関節がハマったとはいえ、その周囲の組織の損傷があり、
骨組織の損傷も合併している可能性があるため固定をし、
整形外科医院へ送りました。
その後、レントゲンの結果は骨損傷は認められませんでしたが、
周辺組織の損傷により患部周囲に皮下出血が認められました。
固定はアルフェンスは使用しておりませんが、
第5趾が触れると痛みがあるため、第4指とテーピングで固定し
プライトンで保護しながらの包帯固定でした。
現在(受傷後約2週)は皮下出血が消え、走り回っているとのことで
プライトンは外し、テーピングと包帯のみの固定となっており、通院中です。
いかがでしたでしょうか?
あまり重要性の高そうな部位ではありませんが、
脱臼は周りの組織も損傷があるため、
慎重に治療を進めていく必要があります。
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