以前にも症例紹介として書いたこともありますが、
今回はスポーツにおける胸郭の伸展に関して紹介していきます。
まず、胸郭の伸展とは?ということから説明していきます。
胸郭の伸展とは胸を張るような動きです。
スマートフォンやパソコンでの業務が増えている昨今では、胸郭の下制によって胸郭をうまく伸展できない方が非常に多いです。
胸郭の下制とは簡単に言うと『猫背姿勢』のことです。
慢性的な疾患として肩こりはこの猫背姿勢が大きく関与しますが、胸郭の運動はスポーツ活動においても非常に重要な動きとなります。
今回は野球や水泳、バドミントンなどオーバーヘッド動作と言われる腕が頭の上を通る動作があるスポーツは共通する部分が非常に多いです。
胸郭は体幹の伸展だけでなく上肢の運動においても機能を果たします。
胸郭から上肢にかけてのしなやかさが失われると肩や肘など別の部分を痛めてしまう原因に繋がってきます。
逆を言うと肩や肘のケガの原因が胸郭の動きの悪さなんてことも考えられます。
胸郭を伸展していく上でまず頭に入れて置きたいことは
胸郭は上位胸郭と下位胸郭という分け方がされるということです。
※より細かく上位・中位・下位と分けることもあります。
この上位胸郭と下位胸郭は同じように動くわけではなく、上位胸郭はハンドルポンプ運動(上下)、下位胸郭はバケツ柄運動(横)への動きをしています。
しかし、猫背姿勢による腹直筋や皮膚が下位胸郭と癒着を起こすことで、下位胸郭の横径拡大を妨げ、結果として下位胸郭も上下の運動となってしまいます。
胸郭をうまく伸展できない方の大きなポイントとして『下位胸郭の横径拡大』が失われていることがあげられます。
ここで一度身体を反ってみましょう。
1人でチェックするのは難しいですがこの時のチェックポイントが2点あります。
1点目は、身体全体が綺麗に弯曲できているかです。
胸郭を伸展できない方のほとんどの方が、肩が巻き肩気味になっていたり、腰椎のみでの後屈になってしまうため、うまく伸展ができません。
脊柱の回旋などすべてが胸郭と骨盤の動きが原因とは限りませんが、綺麗に後屈ができない方の中でも多くの方が胸椎の伸展が出ないことによって腰椎に負担をかけています。
逆に胸郭を動かせるものの骨盤がうまく後傾できないことによってできないパターンもあります。
そちらについてはまた症例などを踏まえながら説明できればと思います。
2点目は肋骨弓の角度です。
肋骨弓とはあばら骨の一番内側の部分です。
本来は横径が拡大していくはずですので、みぞおちを基準として左右の肋骨弓の角度は開いていくのですが、下位胸郭の横径が失われているため角度が変わらない方や狭くなってしまう方が多いです。
腹直筋との癒着によって内側に引っ張られてしまうパターンや皮膚による動きの制限によって起こってきてしまいます。
また、体幹を伸展させる前から肋骨弓の角度が狭い(90度未満)方も非常に多いですが、原因としては同様のことが言えます。
では次にもう一度後屈をしてみましょう。
その際に下位胸郭を前後から軽く圧迫します。
前後から圧迫を加えるということは、異常運動により前後に動こうとする肋骨を押さえることで下位胸郭に左右への拡張を促せます。
この圧迫によって後屈がしやすくなる、もしくは後屈の角度が大きくなる場合は下位胸郭の横径拡大を出すことによって改善されていきます。
ではどのように改善をしていけばよいでしょうか。
まずは下位胸郭における組織同士の癒着を取り除くために組織間リリースを行います。
組織間リリースとは癒着してしまっている組織同士を剥がして本来あるべきスムーズな動きを引き出していく施術です。
癒着を起こすことで筋の異常運動が起こり、関節運動の障害となることも多々あります。
組織間リリースによって癒着を剥がすことは、異常運動の因子を取り除くだけでなく、ストレッチやマッサージでは得ることができない、良くなった動きの持続を得ることができます。
組織間リリースによって制限因子を取り除くことが出来たら、次は運動パターンの再学習が必要です。
癒着が剥がれた状態でも正しい使い方が出来なければ、また同じような使い方によって同じような症状が起こってしまいます。
当院では癒着が剥がれた状態から、リアラインコアを用いて運動パターンの再学習を行います。
リアラインコアとはベルトを装着しながら運動を行うことで、整えながら整った状態での正しい運動パターンの再学習が行えるツールです。
特に胸郭につけた際には下位胸郭の横径拡大に必要な下後鋸筋をうまく使えるように刺激が入るので、癒着が剥がれた状態で正しい肋骨の動きを身に付けることができます。
もちろん一回の使用で完璧に運動パターンが変わるわけではありませんが、外した後もある程度は効果が持続するため癒着の剥がれた状態を維持するエクササイズを並行して行いながら、運動パターンを変えていくことができます。
スポーツによって起こったケガに対してフォーム改善は重要ですが、まずは身体の基本構造となる部分の修正を行わないと、また他の部位に負担が掛かってきてしまいます。
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